藤井絞VS中野絞展

藤井絞VS中野絞 展

京都藤井絞株式会社の藤井浩一さんをお招きして3日間開催します。藤井絞さんは創業100年を超える京都の老舗の絞りメーカーさんですが、藤井さん本人は作家ではなく経営者です。ここ6年くらい、59kimonoのご縁などもあって毎月1回はご一緒させてもらい、大変にお世話になっております。花想容では2015年の秋に来てもらって以来2年半ぶりの催事になります。

藤井絞といえばCMなどで一世を風靡した「雪花絞り」の浴衣が有名です。今回ももちろん雪花の浴衣や襦袢、薄羽織などもご紹介いただく予定ですが、人気の雪花と並んで、是非お目にかけたいのは、「京鹿の子絞り」と「辻が花」です。

京鹿の子絞りは、匹田、疋田絞りともいわれ、いわゆる小さな絞りの粒が規則正しく並んでいる絞り技法です。粒で図案を表現するという点では江戸小紋と似ています。1枚の着物を作るのに2年もかかるものもあり、手間がかかることや後継者不足ということもあり、総絞りの作品は希少になってきています。鹿の子絞りを部分的に取り入れた作品も作られています。

もう一つは、辻が花です。絞りと型染、手描きなどを併用して一枚のきものや帯を作ります。絞り染めで柄を作った上から、カチンといわれる独特の顔料で絵を描き上げたり、ときには型染や刷り、刺繍なども加えて立体的に作品を仕上げていきます。絞りにさらに加工することで、煩くならないように色のバランスをとるのが難しいと思われます、

これ以外にも、桶絞り、帽子絞りといった、京絞りならではの色の組み合わせによる絞りもあり、絞って染めるだけでも多彩な可能性があります。帯揚げなどの小物類から、襦袢、浴衣、小紋、名古屋帯、七五三、羽織物、訪問着まで、いろいろですが、京絞りの奥深さを感じていただける3日間です。どうぞお楽しみに。

藤井絞さんの熟練の職人さんによる作品と比べるのは次元が違うのですが、催事のタイトルが先に決まってしまった都合で、店主、中野絞の新作小紋もとりまぜて展示発表させていただきますので、こちらもあわせて御覧いただきご意見いただけるとありがたいです。

藤井絞 ◇藤井絞帯揚げ(1万円より) ◇雪花絞(浴衣、襦袢) ◇コート絵羽羽織特集

◇辻が花名古屋帯 ◇鹿の子絞り小紋など、

中野絞 ◆こもれび小紋新作 ◆中野絞小紋 ◆中野絞り帯揚げ(無地染め6000円より)

藤井絞、藤井浩一社長

きものサローネ日本橋での展示の様子

アートアクアリムでのショーの様子